平成27年度 東芝 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞のICD10別患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 59 159 434 487 558 677 1,238 1,568 1,127 291
【解説】
平成27年度の全退院患者数は6598人でした。退院患者数で最も多い年齢層は70~79歳で1568人、それに続いて60~69歳の1238人でした。60歳以上の退院患者数の割合は64%でした。

【集計条件】 ※各指標共通
 ・平成27年4月1日~平成28年3月31日までの退院患者であり、一般病棟に1回以上入院した患者(緩和ケア病棟は含めない)
 ・入院した後、24時間以内に死亡した患者、又は生後一週間以内に死亡した新生児は集計対象外
 ・医療保険(公費・生活保護含む)を使用した患者
 ・病棟間の転棟・転入・一般病棟間の転科も1患者として集計
 ・年齢は入院日時点の年齢を基準として集計
 ・各指標において、患者数が10未満の場合は「-」と表記
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)ファイルをダウンロード
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040080X099X0XX 肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎(15歳以上) 120 14.63 14.34 0.8% 69.78
040081XX99X00X 誤嚥性肺炎 59 32.02 21.69 3.4% 87.53
040040XX9900XX 肺の悪性腫瘍 16 19.31 14.38 0.0% 77.25
【解説】
呼吸器内科ではいわゆる市中肺炎の入院が第1位となっています。入院症例はA-DROP 1~2点の中等症肺炎、あるいは3点以上の重症例です。喀痰培養検査だけでなく、血液培養や迅速検査を行い、できるだけ起炎菌を同定して、適切な治療が行えるように努めていますが、退院まで14日ほど要しています。また、特別養護老人ホームや老健施設に入所中の老人の誤嚥性肺炎の紹介、治療依頼も多くあり、抗生剤治療を行っています。しかし、軽快後の食事の再開に、リハビリテーション科嚥下機能理学療法士の立会いのもと嚥下評価を行いながら進めてていくことが必要なことや、ときに経口摂取の再開不可能症例もあることから、入院期間は30日を超えています。
肺癌の入院症例は全身化学療法目的の入院です。組織型などにより治療レジメが異なるためばらつきはありますが、14日程度で退院しています。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060050XX97X0XX 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) 56 11.32 11.98 0.0% 73.70
060102XX99XXXX 穿孔または膿瘍を伴わない憩室性疾患 42 5.93 7.91 2.4% 59.69
060130XX99000X 食道、胃、十二指腸、他腸の炎症(その他良性疾患) 36 7.11 7.38 0.0% 65.72
【解説】
「肝・肝内胆管の悪性腫瘍」の多くは、ウイルス性慢性肝炎や肝硬変を有した方に発生する肝細胞癌です。内科的治療として、ラジオ波焼灼療法や肝動脈塞栓療法を行います。前者は、超音波装置で観察しながら、針状の電極を腫瘍に刺しいれて電流を流すことによって、電極先端に生じた熱で癌を壊死させる治療法であり、体の負担が少ない治療法です。後者は、カテーテルを血管内に挿入して、癌を栄養する血管を塞ぐ治療法です。憩室とは、消化管の壁が袋状に外に突出した状態をいい、内側からみるとくぼみのように見えます。時に炎症や出血を生じ、入院が必要になります。絶食、抗菌薬投与などで治療をします。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050XX0200XX 狭心症、慢性虚血性心疾患 88 4.35 4.87 0.0% 68.44
050050XX99100X 狭心症、慢性虚血性心疾患 60 3.87 3.07 0.0% 65.66
050130XX99000X 心不全 60 20.00 18.3 1.7% 82.95
【解説】
循環器内科で入院数が多いのは、第一に心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患に対する治療(経皮的冠動脈ステント留置術や経皮的冠動脈形成術)を目的としたものです。第二にこれらの疾患を診断するためのカテーテル検査を目的としたものです。これには冠血流予備量比の測定や、光周波数領域画像化法、血管内超音波を用いた詳細な画像評価を行うことにより、それぞれの患者さんの最適な治療を選択しています。平均入院期間は、検査で3.87日、治療で4.35日となっています。
第三に多い入院は、心不全患者の治療目的での入院です。当院では90歳を超えるような超高齢者も数多く入院されるため平均在院日数が20.0日とやや多くなっています。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140010X199X00X 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 42 5.02 6.17 0.0% 0.0
140010X299X0XX 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重1500g以上2500g未満) 14 9.14 11.59 0.0% 0.0
【解説】
当院小児科では、院内出生した新生児の診察・治療を行っております。
早産や低出生体重児などの場合、呼吸障害や哺乳不良、黄疸を合併することも多くなり、症状の有無と程度の観察、必要時には入院加療、またはNICUのある施設へ搬送を行っております。
退院後、1ヶ月健診までの間、哺乳力や黄疸の経過などみさせて頂くため、助産師によるサポート外来をご案内することもあります。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060150XX03XX0X 虫垂炎 49 5.31 5.56 0.0% 34.57
060035XX0100XX 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 23 19.96 17.41 0.0% 66.52
060330XX02XXXX 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 19 7.63 6.96 0.0% 63.00
【解説】
当院外科では消化器・乳腺疾患を中心に胸頸部の手術まで幅広く対応していますが、その中でも「がん診療」と「救急診療」に力を入れています。
がん診療では全ての消化器がんと乳がんが主な対象になりますが、近年の大腸がんの増加にともない当科でも大腸がんの手術・抗がん剤治療が増えています。
また救急指定を受けているため、緊急で行う虫垂炎(いわゆる「もうちょう」)の手術も多くなっています。虫垂炎の手術は基本的に腹腔鏡で行っているので、小さなキズですみ、早期に退院が可能です。
胆石/胆のう炎に対する胆のう摘出術も多数行っていますが、可能な限り単孔式腹腔鏡手術(腹腔鏡手術の中でもさらにキズの少ないやり方)で行っています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160620XX01XXXX 肘、膝の外傷(スポーツ障害等を含む。) 206 10.65 11.98 0.0% 32.10
160800XX01XXXX 股関節大腿近位骨折 48 39.06 28.70 4.2% 81.27
070370XX99XXXX 脊椎骨粗鬆症 45 28.91 24.28 0.0% 82.56
【解説】
当院にはスポーツ整形外科が平成元年から開設されており、日本におけるスポーツ整形外科の草分け的存在です。そのためスポーツ外傷の患者さんが多く、中でも膝前十字靭帯損傷をはじめとした膝外傷の治療には実績があります。
また人口の高齢化に伴い、最近ますます骨粗鬆症に伴う骨折が増加しており、そのため大腿骨近位部骨折、脊椎圧迫骨折にて入院する患者さんが増えています。一人暮らしの高齢者で在宅での介護体制が整っていない方も多いため、在院期間が長期化しています。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120140XXXXXXXX 流産 73 1.99 2.34 0.0% 34.70
120180XX01XXXX 胎児及び胎児付属物の異常 69 9.00 9.94 0.0% 33.71
120170XX99X0XX 早産、切迫早産 39 10.49 20.87 0.0% 31.92
【解説】
DPC対象疾患による集計の為、上記には自然分娩の患者数は含まれておりません。当院の分娩件数は年間630件以上です。
首都圏という地域柄、妊婦の年齢層が高いことや、地域のクリニック等からの手術目的の紹介もあり、流産の患者数が上位となっております。
なお、当院には新生児集中治療室(NICU)がありませんので、早産又は低出生体重児出産のリスクの高い方は近隣の周産期センターへ搬送させていただくこともあります。
耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030428XXXXXXXX 突発性難聴 56 11.04 9.60 0.0% 52.88
030240XX99XXXX 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 39 4.54 5.53 0.0% 37.23
030350XXXXXXXX 慢性副鼻腔炎 25 6.56 7.76 0.0% 54.40
【解説】
耳鼻咽喉科では突発性難聴に対するステロイド治療のほかに、高気圧酸素療法も行っております。扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽喉頭炎に対しては点滴治療を行っております。
慢性副鼻腔炎に対しては、慢性炎症の制御を目標にして内視鏡を使用した手術を行っております。
神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060X099000X 脳梗塞(JCS10未満) 11 22.09 15.80 0.0% 74.00
030400XX99XXXX 前庭機能障害 11 5.27 5.31 0.0% 64.18
010060X099030X 脳梗塞(JCS10未満) - - 18.08 - -
【解説】
神経内科の入院は脳梗塞と前庭機能障害(耳性めまい)が多くなっています。
当院は脳神経外科の常勤医がおらず、重症の脳梗塞に対応することができないため、意識障害を伴わない軽症脳梗塞の方が多く、重症例は近隣の脳卒中センターがある施設(NTT東日本関東病院、牧田総合病院等)に搬送しております。脳梗塞患者さんはご高齢の方が多く(平均年齢74歳)、軽症例で自宅退院を目標とするため、入院期間は全国平均より長くなっています。リハビリテーション科と協力し、早期の退院を目指しています。
前庭機能障害(耳性めまい)に関しては、時間外の入院が多く、内科で初期対応を行い、耳鼻咽喉科とも協力して診療にあたっています

【注】
3位の病名については、患者数が10未満の為、「-」表示となっています。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080007XX010XXX 皮膚の良性新生物 48 1.25 4.38 0.0% 60.52
180060XX97XXXX その他の新生物 43 1.49 6.84 0.0% 58.56
080020XXXXXXXX 帯状疱疹 42 7.40 8.97 0.0% 70.21
【解説】
皮膚科では、小手術では日帰り入院、翌日に創部の観察が必要な場合は1泊2日の入院を予定して手術を施行しています。主に表皮嚢腫、脂肪腫をはじめとした良性腫瘍の切除が多くなっています。頭頸部の帯状疱疹や他の部位で水疱の出現部位が_広い場合、抗ウイルス剤の点滴を平均7日間行い、水疱の痂皮化を促進させ、併せて神経痛に対する治療も行っています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110070XX0200XX 膀胱腫瘍 32 6.91 7.59 0.0% 71.53
11012XXX020X0X 上部尿路疾患 15 5.33 5.91 0.0% 61.27
11012XXX97XX0X 上部尿路疾患 12 5.00 6.90 0.0% 62.50
【解説】
泌尿器科の入院患者のうち最も多いのはDPC対象外ですが、前立腺癌が疑われる症例への組織検査(前立腺生検)目的の入院です。次いで膀胱腫瘍、尿管結石や腎盂腎炎などの尿路感染症が多くを占めています。
腎臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280XX99000X 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 33 11.58 13.64 0.0% 71.61
110310XX99XXXX 腎臓または尿路の感染症 17 21.76 12.60 0.0% 78.41
110290XX99X00X 急性腎不全 11 26.91 14.24 0.0% 80.09
【解説】
症例数で最多であったのは慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全でした。全国で1300万人に達する慢性腎臓病に対する教育入院を行い、外来では容易でない食事指導をはじめとした、包括的な腎疾患管理・指導を行っているほか、慢性腎炎症例での経皮的腎生検および治療も行います。
症例数が2番目に多かったのは腎臓または尿路の感染症でした。急性腎盂腎炎のほか、尿路感染症にともなう敗血症性ショックなど重症例では抗生剤のほか輸液・昇圧剤投与にくわえて急性血液浄化治療も必要に応じて施行しています。
症例数が3番目に多かったのは急性腎不全でした。高齢者の発症が多く、感染症・敗血症にともなう急性腎不全、心不全悪化にともなう急性腎不全、および夏季には過剰降圧にともなう相対的腎血流低下に起因する急性腎不全が多く、慎重な管理を要します。
代謝内分泌内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
100070XXXXXXXX 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 72 14.25 15.35 0.0% 65.49
100060XXXXXXXX 1型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) - - 14.30 - -
100180XX99000X 副腎皮質機能亢進症、非機能性副腎皮質腫瘍 - - 6.55 - -
【解説】
わが国では高脂肪食などの食生活の欧米化やモータリゼーションによる運動不足などで生活習慣病が増えており、特に糖尿病は人口の6-7人に1人が2型糖尿病もしくは予備軍といわれるまでに増加しております。
2型糖尿病は食事療法・運動療法・薬物療法により適切に血糖管理を行うことで合併症をきたすことなく過ごしていくことが可能となります。
教育入院では個々の病態に応じた適切な治療法をおこなうとともに糖尿病に対する正しい知識を身につけ、食事療法を体験していただくことを目指します。

【注】
2位、3位の病名については、患者数が10未満の為、「-」表示となっています。
血液内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
130010XX97X2XX 急性白血病 17 46.88 43.59 0.0% 64.59
130030XX99X40X 非ホジキンリンパ腫 11 24.27 17.69 9.1% 74.55
130030XX99X50X 非ホジキンリンパ腫 11 9.91 15.48 0.0% 67.64
【解説】
急性白血病は無菌室が4床あり、適切な環境での化学療法の実施が可能です。
悪性リンパ腫の発症年齢中央値は70歳代であり、高齢化とともに悪性リンパ腫の入院が増加しています。リツキサンなどの分子標的治療の併用で治療成績も向上しています。1回目の化学療法は入院で行います。問題なければ、外来で継続できる化学療法もありますが、通院が困難な場合は、短期の入院を繰り返すかたちで継続します。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 13 - - 31 27 16 1 7
大腸癌 - - 14 - 40 - 1 7
乳癌 - - - - 17 - 1 7
肺癌 - - - - 13 - 1 7
肝癌 - - - - 52 45 1 7
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
【解説】
初発の5大癌総数は207件で、症例数の上位は胃癌、大腸癌、肝癌の順となっております。再発の総数は61件で、肝癌、胃癌の順となっております。
当院は東京都がん診療連携協力病院となっており、緩和ケア科病棟、外来化学療法室も設置しており、今後初発、再発症例とも増えると思われます。

【注】
・DPCの「医療資源を最も投入した傷病名」に対するICD10コードにより集計しています。
・各項目について患者数が10未満のものについては「-」表示となっており、【解説】での件数にも含まれておりません。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
重症度 0 40 8.13 49.80
重症度 1 54 16.17 75.02
重症度 2 32 23.38 84.41
重症度 3 14 23.29 82.71
重症度 4 - - -
重症度 5 - - -
不明 - - -
【注】
・DPCの「医療資源を最も投入した傷病名」に対するICD10コード=J13~J18$で、成人(20歳以上)の市中肺炎を集計対象としています。
・各項目の患者数が10未満のものは「ー」表示しています。
・重症度分類はA-DROPスコアを用い、重症度分類の各因子が一つでも不明な場合は「不明」に分類します。
脳梗塞のICD10別患者数等ファイルをダウンロード
ICD10 傷病名 発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
G45$ 一過性脳虚血発作及び関連症候群 - - - - -
G46$ 脳血管疾患における脳の血管(性)症候群 - - - - -
I63$ 脳梗塞 3日以内 20 31.65 77.65 30.0%
その他 11 30.45 76.82 45.5%
I65$ 脳実質外動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの - - - - -
I66$ 脳動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの - - - - -
I675 もやもや病<ウイリス動脈輪閉塞症> - - - - -
I679 脳血管疾患,詳細不明 - - - - -
【解説】
当院の脳梗塞患者さんは、発症3日以内の受診が全体の約65%とやや低くなっています。これは当院に脳神経外科の常勤医がおらず、重症の脳梗塞に対応することができないためと(他院へ搬送する)、軽症脳梗塞の方が多いためと考えられます。発症数日後にかかりつけ医を受診され、精査目的で紹介される症例もあります。しかしながら、未治療の脳梗塞や一過性脳虚血性発作における脳梗塞発症のリスクは高いことが大規模臨床試験の結果より明らかにされています。ゆえに当院では患者さんの安全を第一に考え、軽症で発症から3日以上経過した脳梗塞であっても、入院対応とする方針です。軽症例では当院での治療完結を目指すことが多く、入院期間は全国平均よりも長期化する傾向にあります(平均在院日数30日)。

【注】
・DPCの「医療資源を最も投入した傷病名」に対するICD10コード別に集計しています。
・入院時点での「発症日から3日以内」「その他」に分けて集計しています。
・各項目の患者数が10未満のものは「ー」表示しています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)ファイルをダウンロード
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術長径2センチメートル未満 419 0.29 2.10 0.0% 64.58
K6152 血管塞栓術(頭部・胸腔・腹腔内血管等)(選択的動脈化学塞栓術) 55 1.78 9.98 1.8% 73.27
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 33 0.91 16.79 3.0% 77.48
【解説】
内視鏡を用いて、大腸ポリープを切除する手術を多数実施しています。病変の下の粘膜下層に生理食塩水などを注入し、病変の粘膜を持ち上げて、輪状の電気メスで病変部を切り取ります。血管塞栓術は肝癌に対して行います。カテーテルを血管内に挿入して、癌を栄養する血管まで進め、抗癌剤と粒状のゼラチンを注入して塞ぎ、癌を壊死させます。胆道ステントは、胆管癌や膵癌、胆管結石などによって胆管が閉塞した場合に、その閉塞を解除するために挿入するチューブのことです。内視鏡を用いて、十二指腸にある胆管の出口からチューブを挿入して滞った胆汁の流れを回復します。その後に、胆管が閉塞した原因の治療へ進みます。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術 その他のもの 80 1.44 2.58 0.0% 67.98
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 29 1.00 2.34 0.0% 74.48
K5972 ペースメーカー移植術 経静脈電極の場合 12 5.42 11.42 0.0% 79.42
【解説】
循環器内科で手術数が多いのは、第一に心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患に対する経皮的冠動脈ステント留置術や経皮的冠動脈形成術です。造影だけでなく血管内超音波や光周波数領域画像化法を用いて可能な限り適切な治療を行う様努めています。
第二に多い手術が、閉塞性動脈硬化症に対する四肢の血管拡張術です。また、心房細動により生じた血栓による急性動脈閉塞の治療(血栓除去術)も緊急で行っています。
第三に多いのが、ペースメーカー移植術です。高齢者も多く行っているため術後の在院日数が比較的多くなっています。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6335 ヘルニア手術 鼠径ヘルニア 60 1.62 4.58 0.0% 70.30
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの 48 0.21 4.08 0.0% 34.19
K672-2 腹腔鏡下胆のう摘出術 38 2.37 5.71 0.0% 60.13
【解説】
鼠径(そけい)ヘルニア(いわゆる「だっちょう」)の手術は外科で最も多い手術なのですが、当科では希望に応じて腹腔鏡手術でも行っています。
一方、虫垂炎(いわゆる「もうちょう」)の手術は最も多い救急/緊急手術なのですが、当科では基本的に腹腔鏡手術で行うので、小さなキズで早期の退院が可能です。
胆石/胆のう炎に対する胆のう摘出術は今や腹腔鏡で行うのが一般的ですが、当院ではさらに一歩進んでキズが全く目立たない「単孔式胆のう摘出術」を基本術式としています。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K079-21 関節鏡下靭帯断裂形成手術 十字靭帯 131 1.41 13.15 0.8% 26.67
K068-2 関節鏡下半月板切除術 77 1.14 2.35 0.0% 39.25
K0461 骨折観血的手術(大腿) 40 6.50 37.58 20.0% 79.55
【解説】
当院ではスポーツ外傷の患者さんの治療に積極的に取り組んでいます。中でも膝前十字靭帯再建術の手術数は全国でも有数であり、術後のリハビリテーションを十分に行って早期スポーツ復帰を図っています。
またスポーツによる半月板損傷の治療も多数行っています。
近隣には高齢者も多く、大腿骨近位部骨折の手術も多く行っています。心疾患などの合併症により抗凝固薬を服用中の患者さんも多く、そのため手術までの待機期間が長くなりがちです。また一人暮らしの高齢者が多く、術後入院期間の長期化、転院率の増加につながっています。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K9091 流産手術 妊娠11週までの場合 70 0.00 1.00 0.0% 34.86
K8982 帝王切開術 選択的帝王切開 55 1.18 6.98 0.0% 33.18
K8981 帝王切開術 緊急帝王切開 40 1.35 7.28 0.0% 33.08
【解説】
当院の分娩件数は年間630件以上となっています。
首都圏という地域柄、妊婦の年齢層が高いことや、地域のクリニック等からの手術目的の紹介もあり、流産手術が上位となっておりますが、当院の帝王切開率は13~14%と低率を保っています。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術 眼内レンズを挿入する場合 その他のもの 700 0.00 0.62 0.0% 74.70
【解説】
眼科では白内障手術が殆どを占めています。その半数以上は近隣眼科からの紹介となっており、当院の半径10km圏内の方が多いかと思います。
白内障手術を行うにあたり、日帰りか入院かはご本人の希望を優先しています。
白内障以外は、横一線で目瞼手術、翼状片手術となっています。

【注】
10件未満の手術については、表示対象から除外しています。
耳鼻咽喉科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅲ型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 22 1.09 4.32 0.0% 53.59
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 19 1.21 6.79 0.0% 35.68
【解説】
耳鼻咽喉科では慢性副鼻腔炎に対する内視鏡を用いた手術件数が多くなっております。鼻症状に対する内服や点鼻治療による改善に乏しい場合や鼻のポリープによる症状に対しては手術が良い適応と思われます。また、扁桃炎を反復される方は多くいるため、扁桃摘出が適応となる方も多くいます。いずれの手術も入院は約1週間程度とほか病院と比較しても平均的な入院期間と考えられます。
皮膚科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0061 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)長径3センチメートル未満 42 0.00 0.24 0.0% 57.79
K0051 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)長径2センチメートル未満 27 0.00 0.19 0.0% 59.78
K0062 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)長径3センチメートル以上6センチメートル未満 10 0.00 1.00 0.0% 57.70
【解説】
皮膚科では良性腫瘍の切除が主で、露出部の大きさ2cm未満、非露出部の大きさ3cm未満および3cmから6cmの手術が上位3位となっています。3位には入っていませんが、基底細胞上皮癌等の悪性腫瘍切除(単純切除、所属リンパ節隔廓清なし)も行っています。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 32 1.75 3.53 0.0% 66.34
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 電解質溶液利用のもの 22 2.50 5.77 0.0% 74.05
K7812 経尿道的尿路結石除去術 その他のもの 16 1.50 3.94 0.0% 60.94
【解説】
泌尿器科では、悪性腫瘍や結石性腎盂腎炎による水腎症に対して、腎機能温存や炎症症状の改善目的に尿管ステント留置を行っています。必要時には緊急手術で対応しています。
膀胱腫瘍に対する内視鏡的治療は電解質かん流液が使用可能な機器を使用しTUR症候群などの合併症の軽減に努めています。
内視鏡的治療が可能な尿路結石に対しては身体への負担の少ない経尿道的手術を行っています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 15 0.22%
異なる 44 0.65%
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 - -
異なる - -
【解説】
高齢化とともに敗血症の発症頻度は欧米においても増加傾向です。日本は世界に先駆けての高齢化社会を迎えており、救急症例における当院での敗血症の入院事例もそれを反映して増加傾向です。年齢や基礎疾患などから免疫力の低下があるため、入院においても高齢者を中心に敗血症を発症することがあります。当院の血液培養の採取や抗菌薬の感受性は極めて良好な成績を維持しており、敗血症に対し、適切な医療を提供しています。

【注】
・「医療資源を最も投入した傷病名」のDPCコードの6桁レベルにより集計しています。
・「入院契機」は「入院の契機となった傷病名」が、同一のDPC6桁レベルであった場合に「同一」と判断しています。
・各項目の患者数が10未満のものは「ー」表示しています。
更新履歴
2016/10/01
病院情報の公表ページの公開
2016/10/26
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位三位まで)の表記について一部修正(内科→神経内科)
2016/11/08
各項目の解説について追記・修正